介護福祉士試験対策のポイント

実技試験の出題傾向

実技試験の出題傾向としては、
「介護者が、利用者の残存機能を活用して介助しているか。」
「安全・安楽な介助方法であるか。」
「個人の尊厳を尊重しているか。」について、試験されています。

実技試験までの心構え

・実技試験の前日は、しっかり睡眠をとり、万全な体調に整えておきましょう。

 

・腰痛の有無に関係なく、日頃からストレッチをしてから業務に入るようにします。
 そして、試験当日もストレッチを実践するようにしてください。
 いつも通りストレッチをしてから、実技試験を実践することで、緊張感も和らぎます。

 

・服装は清潔感のある者を着て、爪や髪の毛などの身だしなみに注意をします。

実技試験中の心構え

・試験管に「失礼します。よろしくお願いします。」、「始めます。」、
「終わりました。」、「ありがとうございます。」などの挨拶をしっかりします。

 

・実技試験中の声かけについても、はっきり大きな声で行います。

 

・利用者に対して、「挨拶」や「自己紹介」、「体調確認」、「これから行うことの説明」などをして、
了解を得てから作業を始めます。

 

・試験中、利用者の名前や状態を忘れた時には、
利用者の安全確認をした上で、試験管の許可を得て、出題の確認をします。

 

・片麻痺の利用者に対しては、必ず麻痺側に立つ介助が原則です。

 

・介助をする時には、利用者に負担をかけず、
 また自分の健康管理のためにも、ボディメカニクスを最大限に活用します。

 

実技試験の流れと注意

@ 受付

 

まず、受付を済ませます。
受付で受験番号と氏名を確認後、採点表を渡されます。
その後、大学の講堂などの更衣室で、介助しやすい服装に着替えます。

 

A 待機

 

係員に受験番号を呼ばれたら、20〜30名ずつ指定された教室に移動します。
机上に、課題文が書かれた用紙が置いてあります。
課題文は、黒板にも書いてあります。

 

B 課題の把握

 

待機室で課題文を読み、把握します。
落ち着いて課題分を読み、整理しましょう。
10分程度の時間内に、利用者の心身状況や介助の手順などを頭の中で整理します。

 

C 試験会場で待機

 

係員の誘導で、試験会場の前の椅子に座り、順番を待ちます。
課題文をもう一度読んで、注意点を確かめます。

 

D 試験会場に入室

 

試験官、または試験補佐員に呼ばれたら試験会場に入室します。
入室したら、受験番号と氏名を述べて、受験票と採点表を試験官に渡します。

 

E 実技試験の開始

 

試験官が「始めてください」と指示したら、実技試験を開始します。
受験者は、必ず「始めます」といってから、実技を開始します。

 

F 退室

 

実技試験が終わったら、「終わりました」と言って退室します。
実技試験終了後は、試験官・試験補佐員(タイムキーパー)・モデルに
「ありがとうございました」と言ってから退室します。

 

 

* 時間切れになった場合

 

時間切れになってしまった場合は、課題の途中であっても試験官が中断を命じます。
速やかに、試験官の指示に従い、中断してください。

 

* 退室後

 

退室後は、係員の指示に従います。
午前中の試験の場合は、別の教室や会場に移動し、
全員が終了するまで待機します。
午後の試験の場合は、終了順に帰宅できます。

実技試験の合格基準

実技試験の合格基準は、概ね45〜60%できると合格となっています。
ですから、「左麻痺なのに、右手から着せてしまった」という場合や、
「どちらにするか確認しないでやってしまった」という場合、
「時間切れになってしまった」というようなミスがあった場合であっても、
実技を行ったところまでの採点をされます。
課題の介助をクリアすると、5点前後のプラス点が加算されるしくみになっています。
いくつかの失敗であれば問題はありません。
自分の失敗に気づいても、最後まであきらめずに課題をこなしていくことが大切です。

問題例

問題集にあった、実技試験の問題例です。

 

田中南さん(85歳)は、左上下肢に麻痺があり、歩行はできません。

起き上がりと立位には、一部介助が必要です。
田中さんは、ポータブルトイレでの排泄を希望しています。
ベッドで仰臥位になっている状態からポータブルトイレに座るまでの介助を行ってください。
なお、田中さんは、あなたの介助に同意しています。
田中さんは、「はい」または「うなずく」のみです。
モデルはズボンの下にスパッツをはいていますが、下ろすのはズボンだけです。

実技ポイント

 

@ 挨拶・自己紹介・田中さんの体調管理、これから行うことの説明をして同意を得ます。

 

A ポータブルトイレやバスタオル(ひざ掛け)の準備を行います。

 

B 仰臥位から側臥位になることを伝え、田中さんの右手で左肘を持ってもらい、健側から介助します。

 

C ベッドに座るように伝え、左手が巻き込まれないように注意して、残存機能を使って介助します。

 

D ベッドから立ち上がることを伝え、ベッドに浅く座ってもらいます。
  田中さんの左足の後ろに受験者の右足を入れて、膝折れをしないように注意しながら立たせます。

 

E 田中さんの右足を軸に回転させて、ポータブルトイレの前に移動します。

 

F 右側のズボンは、田中さんに下ろしてもらい、前傾姿勢でポータブルトイレに座ります。

 

G 膝の上にバスタオル等(羞恥心に配慮)をかけ、安定して座っていることを確認します。

 

* C・D・Fの介助を行う時には、「めまいはしませんか?」と、体調の確認をします。

 

 

 

松田さおりさん(80歳)は、左上下肢に麻痺があり、

移動や着衣には一部介助が必要です。

 

今日は、デイサービスに参加する日です。
居間の床に座っている松田さんを、台を使って立ち上がらせてください。

 

その際、台には座らせないでください。

 

次に、杖歩行で段差を越え、玄関の椅子に座り、上着を着用するまでを介助してください。

 

なお、上着のファスナーは止める必要はありません。

 

松田さんは、「はい」、または「うなずく」のみです。

実技ポイント

 

@ 挨拶・自己紹介・松田さんの体調管理、これから行うことの説明をします。

 

A 杖の先のゴムや杖の長さを点検します。

 

B 健側の右腕を台の上に置き、健側の右膝を立て、一部介助で立ってもらいます。

 

C 杖歩行は、杖→患側の左足→健側の右足の順に行います。

 

D 段差の前で止まり、杖を段の向こうに→左足→右足の順に越えてもらいます。

 

E 深くおじぎをするようにして、いすに座ります。

 

F 着替え「脱健着患(だっけんちゃっかん)」を間違えないようにします。

 

G 健側の自分で着られるところは自分でやってもらえるように声をかけます。