介護福祉士試験対策のポイント

社会の理解の科目の特徴

「社会の理解」は、介護福祉士試験において、受験生を最も苦しめる科目です。
学習内容量も多く、学習難度も高いからです。

 

・生活と福祉

 

「生活と福祉」では、家族や地域など社会学の基礎的内容を中心に学習します。

 

・社会保障制度、介護保険制度、障害者自立支援制度、介護実践に関連する諸制度

 

「社会保障制度」、「介護保険制度」、「障害者自立支援制度」、「介護実践に関連する諸制度」では、
主に法律を中心に学習し、統計調査結果や介護実践に関連する社会的な問題などについても学習します。

社会の理解の試験対策

社会の理解の試験では、12問が出題されます。
そして、短文事例問題も出題され、問題の難易度も比較的高い内容が出題されます。

 

社会の理解では、どの項目も時間をかけてじっくり学習します。
そして、理解を深めることが求められますが、
特に「介護保険制度」の項目は、複数問出題される可能性が高くなります。

 

ですから、学習時間が少ない場合は、この「社会の理解」の項目に時間を注ぎ、
他の項目は練習問題や予想問題を解いて学習する方法で対応しましょう。

社会の理解の学習範囲と主な学習内容

生活と福祉

 

生活と福祉では、「家族や地域」、「社会や組織」、「社会構造の変容」など、
社会学の基礎的な内容を学習します。

 

社会保障制度

社会保障制度では、「社会保障の範囲」や「歴史的発展」、
「国民年金制度」や「国民健康保険制度」、「人口動態」などを学習します。

 

人口動態では、最新の各種統計(人口動態統計月報年計や国民生活基礎調査など)調査結果を確認しましょう。

 

介護保険制度

介護保険制度は、とても重要な項目です。
「介護保険のしくみ(被保険者、保険給付、地域支援事業)」や、
「介護サービス」、「介護支援専門員」についてなど、
学習すべき重要な内容が盛りだくさんな項目となっています。

 

障害者自立支援制度

障害者自立支援制度では、「障害者自立支援法のしくみ」、「障害福祉サービス」を学習します。

 

今後、障害者自立支援法は廃止され、新制度に移行していく傾向があります。
平成22年度末にも改正されているので、今後の動向に注目することが必要です。

 

介護実践に関連する諸制度

介護実践に関連する諸制度では、「保健医療関係法制度」、「生活保護制度」、
「成年後見制度」、「日常生活自立支援事業」、「個人情報保護法」などを学習します。

 

生活保護制度については、生活保護法の概要(保護の4原則、保護の4原理、保護の種類、保護施設など)について整理しましょう。
特に、介助扶助については、介護保険との関係が深いので、
介護福祉士試験に出題されやすい傾向があります。

 

成年後見制度と日常生活自立支援事業では、
高齢者や障害者の権利を擁護するための制度や事業について学習し、
事業や制度の仕組みを理解しましょう。

 

* 社会の理解の項目では、特に介護保険制度が重要で、
さらに、介護保険の仕組みについては、超重要な内容となっています。
また、生活保護法の中の介助扶助についても、介護保険との関係が深いので、
知識を深め、試験に備えましょう。

介護保険法

介護保険法についての内容です。

 

介護保険の概要

 

介護保険法において、介護保険は、
「被保険者の要介護状態または要支援状態に関し、
必要な保険給付を行うもの」と定義されており、
以下のような留意点が規定されている。

 

@ 保険給付は、要介護状態や要支援状態の軽減または悪化の防止に資するよう行われると共に、
医療の連携に十分配慮して行われなければならない。

 

A 保険給付は、被保険者の心身の状況、置かれている環境などに応じ、
被保険者の選択に基づき、適切な保険医療サービス・福祉サービスが、
多様な事業者や施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行わなければならない。

 

B 保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、
可能な限り、居宅において、有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。

 

介護保険の保険者

 

介護保険の保険者は、市町村(特別区を含む)である。
保険者である市町村は、介護保険に関する収入及び支出に関して、
特別会計を設けなければならない。

 

国、都道府県、市町村の役割

 

国は、介護保険事業の運営が健全、且つ円滑に行われるよう
保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施設
その他の必要な各般の措置を講じなければならない。

 

都道府県は、介護保険事業の運営が健全且つ円滑に行われるように、
必要な助言及び適切な援助をしなければならない。

 

都道府県の主な役割には、
@ 居宅サービス事業者等の指定
A 介護サービス情報の公表
B 都道府県介護保険事業支援計画の策定
C 財政支援
などがある。

 

市町村の主な役割には、
@ 被保険者の資格管理
A 要介護認定
B 介護報酬の審査・支払
C 千記包括支援センターの設置
D 市町村介護保険事業計画の策定
E 第1号被保険者保険料の徴収
F 介護保険の財政運営
などがある。

 

被保険者の種類

 

市町村が行う介護保険の被保険者には、
第1号被保険者と第2号被保険者の2種類がある。

 

第1号被保険者は、「市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者」と定義されている。
第2号被保険者は、「市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者」と定義されている。

 

要介護認定の概要

 

要介護認定は、介護給付を受けようとする被保険者に対して行われる
要介護者に該当すること及び該当するよう介護状態区分についての市町村の認定をいう。

 

また、要支援認定とは、予防給付を受けようとする被保険者に対して行われる
要支援者に該当すること及び該当するよう支援区分についての市町村認定をいう。

 

要介護認定の過程

 

要介護認定の過程は、
@ 認定審査→A認定調査・主治医意見書→B一次判定→C二次判定
→D要介護・要支援状態の区分の決定→E保険給付の支給決定と分類することができる。

 

要介護認定の過程の各段階において、新規・更新・要介護度区分変更・住所変更などによって、
少しずつ内容が異なっている。

 

新規要介護認定

 

被保険者は、与介護認定を受ける際には、
申請書に被保険者証を添付して市町村に申請をしなければならない。
この際、被保険者は、指定居宅介護支援事業や地域包括支援センターなどに
申請手続きの代行を依頼できる。

 

要介護更新認定

 

要介護認定を受けた被保険者は、有効期間満了後も、
要介護状態に該当すると見込まれる場合には、市町村に対し、
要介護更新認定の申請を行うことができる。

 

また、要介護更新認定は、基本的に新規要介護認定と同様の過程で行われるが、
基本的に市町村が行う認定調査に関しては、
指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設、介護保健施設、
厚生労働省令で定める介護支援専門員などに委託することができる。

 

介護認定審査会の概要

 

介護認定審査会は、要介護認定の審査判定業務(二次判定)を行うため、
市町村に設置される。

 

地域支援事業

 

地域支援事業は、実施主体を市町村としており、
主な事業は、必須事業、市町村の判断で実施する事業(市町村判断事業)、
任意事業に大別できる。

 

また、市町村は、介護予防と日常生活支援のための施策を総合的かつ一体的に行うため、
地域支援事業として介護予防・日常生活支援総合事業を行うことができる。

 

必須事業は、包括的支援事業と介護予防事業で構成されており、
包括的支援事業には、
@ 介護予防ケアマネジメント事業
A 総合相談・支援事業
B 権利擁護事業
C 包括的・継続的ケアマネジメント支援事業
の4種類の事業で更正されており、
第1号被保険者と第2号被保険者を対象としている。

 

また、介護予防事業は、一時予防事業と二次予防事業で更正されており、
第1号被保険者のみを対象としている。

 

任意事業には、介護給付等費用適正化事業などがある。

 

介護予防・日常生活支援総合事業は、地域支援事業のうち、
@ 介護予防事業
A 介護予防ケアマネジメント事業
B 市町村判断事業
を一体的に行うものである。

 

地域包括支援センター

 

地域包括支援センターは、主に社会福祉士、保健師、主任介護支援専門員を配置し、
包括的支援事業などの業務を取り扱っている。

 

地域包括支援センターの設置者は、
包括的支援事業の効果的な実施のために、
介護サービス事業者、医療機関、民生委員、ボランティアなどとの連携に努めなければならない。

 

介護サービス情報の公表

 

介護サービス情報の公表制度は、
介護サービス情報を利用者に対して事前に提供する環境を整え、
また、各事業所のサービス内容を公平・公正に公表して、
利用者に適切な事業所を選択できる環境を整備するために設けられた制度である。

 

介護サービス事業者は、サービス提供を開始する場合、
介護サービスの内容などの情報を管轄の都道府県知事に報告しなければならない。

 

報告を受けた都道府県知事は、報告をした介護サービス事業者に対し、
介護サービス情報について調査を行うことができる。

 

調査を実施した場合には、
報告内容及び調査結果を公表しなければならない。

 

保険給付の種類

 

介護保険の保険給付には、介護給付、予防給付、市町村特別給の3種類がある。

 

介護給付は、被保険者の要介護状態に関する保険給付である。

 

市町村特別給付は、介護給付や予防給付のほかに、
要介護状態または要支援状態の軽減・悪化の防止に資する保険給付として
条例で定める市町村独占の保険給付である。

 

介護報酬

 

介護報酬とは、要介護者などが事業者や施設のサービスを利用した場合に請求される
費用の算定基準である。

 

この介護報酬の額は、更正労働大臣の告示によって定められている。

 

介護報酬の体系は、各サービスによって異なるものであり、
サービスの種類に応じて「要介護度」、「サービス事業所の種類」などの区分が設けられているほか、
訪問入浴介護のように、1回2500単位のように回数で算定するものや、
介護予防支援のように月単位で算定するものもある。

 

また、介護報酬には、サービスの種類や内容によって、加算・減算算定項目が設定されている。

要介護認定の過程とポイント

要介護認定の申請方法

 

@ 被保険者が、自分で市町村に申請
A 被保険者が、家族に依頼し、家族が代理として市町村に申請
B 被保険者が、民生委員や社会保険労務士、成年後見人、
地域包括支援センター、居宅介護支援事業者、介護保健施設などに代行を依頼し、市町村に申請

 

*要介護認定の申請は、代理・代行を依頼することができます。

 

>要介護申請認定の流れ

 

主治医の意見書→一次判定→二次判定→要介護・要支援状態区分の決定→要支援→サービス利用の開始(予防給付支給)

 

主治医の意見書→一次判定→二次判定→要介護・要支援状態区分の決定→要介護(介護認定審査会が実施)→サービス利用の開始(介護給付支給)

 

認定調査→一次判定→二次判定→要介護・要支援状態区分の決定→要支援→サービス利用の開始(予防給付支給)

 

認定調査→一次判定→二次判定→要介護・要支援状態区分の決定→要介護(介護認定審査会が実施)→サービス利用の開始(介護給付支給)

 

認定調査→二次判定→要介護・要支援状態区分の決定→要支援→サービス利用の開始(予防給付支給)

 

認定調査→二次判定→要介護・要支援状態区分の決定→要介護(介護認定審査会が実施)→サービス利用の開始(介護給付支給)

 

認定調査の委託

 

認定調査の委託は、基本的に市町村が実施しますが、委託する事もできます。

 

新規認定を委託→指定市町村事務受託法人
更新認定を委託→指定市町村事務受託法人、指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設、介護保健施設など

 

要介護の認定

 

要介護の認定は、介護認定審査会が実施します。

 

要介護、要支援状態区分は、全部で7段階あります

 

要支援1、要支援2、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5

 

このうち、要支援1が最も軽度で、要介護5が最も重度となります。

地域支援事業の事業構造

介護予防・日常生活支援総合事業として、
「必須事業」、「市町村判断事業」があります。

 

必須事業

 

必須事業として「包括的支援事業」、「介護予防事業」があります。

 

包括的支援事業には、「介護予防ケアマネジメント事業」、「総合相談・支援事業」、
「包括的・継続的ケアマネジメント支援事業」、「権利擁護事業」があります。

 

介護予防事業には、「一次予防事業」として、
介護予防普及啓発事業、地域介護予防活動支援事業、一次予防事業評価事業があり、
「二次予防事業」として、二次予防対象者把握事業、通所型介護予防事業、
訪問型介護予防事業、二次予防事業評価事業があります。

 

市町村判断事業

 

市町村判断事業として、「介護予防サービス等を実施する事業」、
「要支援者・二次予防事業対象者に対する自立した日常生活の支援のための事業」、
「予防給付の対象とならない要支援者に対するケアマネジメントの事業」があります。

 

また、任意事業として、「介護給付等費用適正化事業」、
「家族介護支援事業」、「その他の事業」があります。

問題例

地域支援事業に関する問題で、問題集に次のような問題がありました。

 

Q. 地域支援事業に関する記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

@ 権利擁護事業は、介護予防事業に含まれる。
A 一次予防事業には、通所型介護予防事業と訪問型介護予防事業で構成されている。
B 市町村は、介護給付等費用適正化事業を実施しなければならない。
C 市町村が、介護予防・日常生活支援総合事業を実施する場合、
市町村の判断によって実施する事業を一括して行わなければならない。
D 介護予防事業は、介護保険の第一号被保険者と第2号被保険者を対象としている。

 

解答「C」

 

@ × 権利擁護事業は、介護予防事業ではなく「包括的支援事業」に含まれます。
    ですから、@は、×です。

 

A × 一時予防事業は、通所型介護予防事業と訪問型介護予防事業ではなく、
   「介護予防普及啓発事業」、「地域介護予防活動支援事業」、「一次予防事業評価事業」で構成されています。
   ですから、Aは、×です。

 

B × 介護給付等費用適正化事業は、市町村ではなく、
   「地域支援事業」の任意事業です。
   ですから、Bは、×です。

 

C 〇 市町村は、介護予防と日常生活支援のための施策を、
   総合的、且つ一体的に行うため、地域支援事業として介護予防・日常生活支援総合事業を行うことができます。
   この事業を実施する場合は、市町村の判断によって実施する事業を一括して行わなければならないとあります。
   ですから、Cは、〇です。

 

D × 介護予防事業の対象は、介護保険の第一号被保険者に限定されています。
   ですから、Dは、×です。