介護福祉士試験対策のポイント

認知症の理解の科目の特徴

「認知症の理解」の科目では、認知症の種類や原因、症状、治療方法などを理解し、
認知症がある者の日常生活における問題点や心理的影響などについて勉強します。

 

学習内容量は、あまり多くありません。
ですが、認知症ケアの変遷や、認知症の原因となる疾患、認知症についてなど
しっかり理解していないと、試験に対応できません。

 

特に「医学的側面から見た認知症の基礎」の項目を中心的に勉強しましょう。
まずは認知症の原因となる疾患の種類や特徴について理解し、
認知症と間違えられやすい症状も合わせて勉強することが必要です。
さらに、「認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活」の項目をきちんと理解しておきましょう。

認知症の理解の試験対策

認知症の理解の科目では、試験問題は10問出題されます。
過去の試験でも毎回のように出題されている「血管性認知症」と「アルツハイマー病」の2疾患については、
今後の試験でも必ず出題されるといっても過言ではありません。

 

そのため、「血管性認知症」と「アルツハイマー病」の2疾患については
時間をかけてでもじっくりと学習し、理階を深めておく必要があります。

 

また、「血管性認知症」と「アルツハイマー病」に加えて、
「ピック病」と「レビー小体型認知症」の2疾患についても
近年注目されている認知症であることから出題される可能性が高いので
理解を深め、学習しておきましょう。

 

短文事例問題は、2問程度出題されることが予想されます。
練習問題や予想問題などを繰り返し挑戦し、経験値を高めていきましょう。

認知症の理解の学習範囲と主な学習内容

認知症を取り巻く状況

 

認知症を取り巻く状況の項目では、「認知症ケアの歴史や理念」、
「認知症の現状」について勉強します。

 

医学的側面から見た認知症の基礎

 

医学的側面から見た認知症の基礎の項目は、とても重要です。

 

「認知症の原因となる疾患とその特徴」、「認知症と間違えられやすい症状」、
「検査・治療・予防」などについて勉強します。

 

認知症の原因となる疾患「アルツハイマー病」、「脳血管疾患」、「レビー小体型認知症」、
「ピック病」などについて理解しましょう。
特に、アルツハイマー病と脳血管疾患については重要です。

 

 

認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活

 

認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活の項目では、
「認知症が及ぼす心理的影響」や「認知症がある者の心理的理解」、
「認知症に伴う日常生活への影響」などについて勉強します。

 

連携と協働

 

連携と協働の項目では、「地域におけるサポート体制」、「チームアプローチ」などを勉強します。

 

家族への支援

 

家族への支援での項目では、「家族の認知症の受容の過程での援助」や、
「家族の介護力」、「レスパイトケア」について勉強します。

 

* 「連携と協働」と「家族への支援」の項目は、短文事例問題として出題されやすい内容です。

アルツハイマー病

アルツハイマー病は、認知症の原因疾患として最も大きな割合を占めています。
日本においても、血管性認知症やレビー小体型認知症と並ぶ代表的な認知症疾患です。

 

@ アルツハイマー病の特徴

 

アルツハイマー病は、男性に比べると女性に多く見られる傾向があります。

 

アルツハイマー病の症状の発症や進行は緩やかです。

 

A アルツハイマー病の症状

 

アルツハイマー病の主な症状は、認知機能低下や人格の変化などです。
初期症状の代表的なものとしては、「記銘力の低下を伴う記憶障害」があります。
長期記憶や手続き記憶は、比較的よく保たれますが、
短期記憶の低下が顕著に現れます。

 

また、初期症状として、「軽度の人格変化」、「不安」、「抑うつ」などがあり、
周辺症状として「不眠」、「易怒性」、「幻覚」、「妄想」などがあります。

 

アルツハイマー病の症状が重度になると、摂食や着替え、
意思疎通などもできなくなり、最終的には寝たきりになります。

 

B アルツハイマー病の診断

 

アルツハイマー病の診断では、CTやMRI、脳血管撮影などの使用により、
脳の萎縮や脳溝の拡大が認められます。

血管性認知症

血管性認知症は、多発性脳梗塞などの脳血管障害が原因となって起こる認知症性疾患です。
そして、その大部分は、虚血性血管性認知症です。

 

@ 血管性認知症の特徴

 

血管性認知症は、女性に比べて男性に多く発症する傾向にあります。
記憶力や判断力、理解力などの知能の障害の程度にむらがあるので、
「まだら認知症」と呼ばれることもあります。

 

A 血管性認知症の原因

 

血管性認知症の原因は、血管障害です。
特に多発性脳梗塞が原因となっていることが多く、CTやMRIの脳画像診断で梗塞巣が見られます。

 

B 血管性認知症の症状

 

血管性認知症では、記憶障害を伴うことが多くあります。
また、片麻痺、尿失禁、情動失禁などを生じる場合があり、
病状憎悪期を繰り返しながら段階的に重度になるという特徴があります。

 

* 情動失禁とは、感情のコントロールがきかず、
 些細なことでもきっかけとなり、激しい感情が沸き起こる状態を言います。

 

C 血管性認知症の合併症

 

血管性認知症では、片麻痺や仮性球麻痺による嚥下障害を合併することが多いです。
ですから、転倒や誤嚥への注意が大切です。

 

D 血管性認知症の予防

 

血管性認知症の予防法として挙げられるのは、高血圧、糖尿病、心電図異常、肥満、
脂質異常症、喫煙、飲酒の習慣などの危険因子を除き、脳梗塞にならないことです。

ピック病

ピック病は、初老期認知症の代表的疾患の一つで、
特有な人格の変化、言語の現象、自発性の低下などの症状が現れる
大脳萎縮性疾患です。

 

@ ピック病の特徴

 

ピック病の初期段階では、比較的、知的機能は維持されています。
ですが、症状の進行に伴い、記憶障害や言語障害などが現れます。

 

A ピック病の症状

 

ピック病の主な症状としては、人格の変化や行動異常などが現れる点です。
また、初期症状として、自制力の低下や、感情鈍麻、異常行動などがみられます。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、主に大脳皮質の多数の神経細胞内にレビー小体という異常物質が現れる疾患です。
認知症の原因疾患の約1割を占めています。

 

@ レビー小体型認知症の特徴

 

レビー小体型認知症は、
大脳皮質の多数の神経細胞内にレビー小体という異常物質が現れることによる疾患です。
レビー招待が神経細胞内に出現する原因は分っていません。
つまり、原因不明の認知症関連疾患です。

 

A レビー小体型認知症の症状

 

レビー小体型認知症の症状としては、「見当識障害」、「記憶障害」、「筋肉収縮」、
「嚥下困難」、「幻視・幻聴」、「無反応」、「せん妄」などが見られ、
他にもパーキンソン病様症状として、
「すくみ足」、「小刻み歩行」などの歩行障害も見られます。
また、症状の程度には日内変動も見られます。

認知症の検査

@ 長谷川識認知症スケール

 

長谷川識認知症スケールは、9問の設問で構成される質問形式の認知症スクリーニング法です。
20分程度の短時間でテストができ、判定も点数化されています。

 

A ミニ・メンタル・ステイト検査

 

ミニ・メンタル・ステイト検査(MMSE)は、
11項目で構成される質問形式の認知症スクリーニング法です。

認知症高齢者への対応

認知症の高齢者と接する際に注意したいことがいくつかあります。

 

・安心して存在できる人間関係を構築することが大切です。
・認知症高齢者の自尊心を傷つけないようにすることが大切です。
・間違いを厳しく指摘しない、伝えたい情報は簡潔に分りやすい言葉で話すなどの配慮が必要です。

レスパイトケア

レスパイトケアとは、家族介護者が介護を継続することができるように、
認知症のある者から一時的に離れ、
家族介護者が休息する時間を持つことができるように支援していく方法のことです。

 

 

認知症の理解に関する問題で、問題集に以下のような問題がありました。

アルツハイマー型認知症に関する次の記述のうち、間違っているものを一つ選びなさい。

 

@ 意識障害がある。
A 知能障害がある。
B 見当識障害がある。
C 後天的障害である。
D 認知症の原因として最多である。

正解「@」

 

@ × アルツハイマー型認知症には、意識障害は見られません。

 

A 〇 アルツハイマー型認知症には、知能の低下などの知能障害が見られます。

 

B 〇 アルツハイマー型認知症には、記憶障害(記銘力の低下)や、見当識障害が見られます。

 

C 〇 アルツハイマー型認知症は、後天的な脳の器質的障害です。

 

D 〇 認知症の原因としては、アルツハイマー型認知症が最も多いです。

 

 

認知症の人にみられる症状として、適切でないものを一つ選びなさい。

 

@ 記憶障害

 

A 離人症

 

B 作話

 

C 見当識障害

 

D 被害妄想

正解「A」

 

@ 〇 記憶障害や見当識障害は、認知症の症状です。

 

A × 離人症は、神経症の一つです。

 

B 〇 認知症では、作話を伴う場合があります。

 

C 〇 認知症の症状の一つに、見当識障害があります。

 

D 〇 認知症では、「物を盗られた」、「悪口を言われている」などの被害妄想を伴う場合があります。

 

認知症高齢者への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

@ 認知症高齢者が誤ったことをした時は、間違った点を指摘し、反省を促す。

 

A 認知症高齢者は感情が不安定なので、日常的生活面で心理的刺激の効果は望めない。

 

B 認知症高齢者は、認知機能が低下することから、知的な作業は負担となるので避ける。

 

C 生活の場で、認知症高齢者が自分でできることを見つけて支援する。

 

D 認知症の発症には様々な原因があるが、原因の違いにより対応を変える必要はない。

正解「C」

 

@ × 認知症の高齢者が誤ったことをした場合であっても、
   援助者は受容的・共感的な理解を示し、非審判的態度で接することが大切です。
   認知症高齢者が誤ったことをした場合に、その点を指摘し、反省を促すと、
   認知症の高齢者が不安や混乱を生じ、認知症の症状の悪化につながる恐れがあります。

 

A × 認知症の高齢者に対して、社会活動への参加や交流の機会の図化などの日常生活の活性化を図ることによって、
   日常生活面での心理的刺激の効果を望むことができます。

 

B × 認知症の高齢者に対して、疲労面などに配慮しながら知的な作業を行うことにより、
   認知機能などの維持や改善を図ることが大切です。

 

C 〇 自分自身でできることは、時間がかかっても自分自身行ってもらうという残存能力の活用は、
   認知症の高齢者に限らず、自立支援の基本です。
   生活の場面において、認知症の高齢者ができることを見つけ、
   認知症の高齢者自身で行ってもらうように支援することは適切な対応です。

 

D × 認知症の発症には様々な原因があります。
   援助者は、各認知症高齢者の原因の違いや症状の違いなどに応じて、
   認知症高齢者の個々に適した対応を図ることが大切です。