介護福祉士試験対策のポイント

高齢者の定義

日本の法律において、高齢者または老人の定義を規定している法律は少ないです。
高齢者福祉関係法である老人福祉法や介護保険法、
高齢者居住安定確保法などでは、高齢者或いは老人についての定義は規定されていません。
ですが、「高齢者虐待防止法」においては、「65歳以上の者」を高齢者と定義しています。

高齢者の人格特性

高齢者の人格特性に関する代表的な理論としては、
ライチャードの理論である「定年退職後の男性高齢者の5つの人格特性」と、
ニューガーデンらの理論である「8つの適応パターン」があります。

 

@ ライチャードの「定年退職後の男性高齢者の5つの人格特性」理論

 

ライチャードの「定年退職後の男性高齢者の5つの人格特性」では、
定年退職後の男性高齢者の人格特性を、@円熟型、A安楽椅子型、
B防衛型、C外罰型、D内罰型の5つに区分しています。
そして、@円熟型、A安楽椅子型、B防衛型の3つは、社会に適応している人格特性とし、
C外罰型、D内罰型は、社会に不適応な人格特性であるとしています。

 

定年退職後の男性高齢者の5つの人格特性

 

1) 円熟型

 

自分の人生や過去を受容し、積極的で建設的な生活を送ります。
また、社会活動などに積極的に参加する傾向もあります。

 

2) 安楽椅子型<ロッキングチェア型>

 

受動的、且つ消極的ながらも、新しい環境にも適応できます。
他者に依存しやすい傾向もあります。

 

3) 防衛型

 

老化について否定的な考えや不安感が強いです。
また、防衛的な態度が強く現れます。

 

4) 外罰型

 

自分の過去や老化の現実を受け入れることができず、
攻撃的で他者のせいにし、周囲とのトラブルを起こしやすい傾向にありまs。

 

5) 内罰型

 

後悔や自責の念が強く、孤立しやすくなります。
また、自殺念慮やうつ症状を生じやすい傾向もあります。

 

A ニューガーデンらの理論

 

ニューガーデンらは、高齢者の人格特性について
@統合型、A防衛型、B依存型、C不統合型の4類型と大きくわけ、
さらに8つの適応パターンに区分しています。

 

ニューガーデンらの8つの適応パターンとは、
「再統合型」、「集中型」、「離脱型」、「固執型」、「緊縮型」、「依存型」、「純麻型」、「不統合型」です。

問題例

高齢者の心理的影響に関する問題で、問題集に以下のような問題がありました。

老化が及ぼす心理的影響に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

@ 老年期には、自我同一性の確立が顕著に現れる。

 

A 喪失体験を引き起こす起因の一つに定年退職があります。

 

B 流動性知能が高まる。

 

C 感覚記憶から送られた情報は、半永久的に保持される。

 

D 老いを自覚することにより、他方への積極的な交流が増える。

正解「A」

 

@ × エリクソンの発達段階において、老年期の課題は統合性の確立です。
   「自分とは一体何か」、「自分は何になりたいのか」という自我同一性の確立は、
   青年期の課題として位置づけられます。

 

A 〇 喪失体験を引き起こす原因には、「定年退職」、「子どもの独立」、
   「親族などの死別」などがあります。

 

B × 学習・文化・経験に基づく結晶性知能は、老化の影響が少なく比較的維持されます。
   新しい環境に適応するための流動性知能は、老化の影響を受け、低下する傾向にあります。

 

C × 感覚記憶は、物理刺激に対する情報で、短期記憶に移されることがなければ1・2秒で消えます。
   半永久的に保持される記憶は、長期記憶です。

 

D × 老いを自覚することによって、交流の機会が減る傾向にあります。

 

老化の種類

老化には、健常老化といわれる生理的老化と、病的老化があります。

 

健常老化(生理的老化)

 

健常老化(生理的老化)は、加齢による影響によって心身に変化が現れることをいいます。
疾病による影響を受けることがありません。

 

病的老化

 

病的老化は、疾病によって老化に影響を及ぼすものをいます。