介護福祉士試験対策のポイント

人間関係とコミュニケーションの科目の特徴

人間関係とコミュニケーションの科目では、
学習内容量も少なめですし、学習難易度もあまり高くありません。
ですから、比較的学習しやすい内容だと思います。

 

人間関係とコミュニケーションの中心的な学習内容は、
「コミュニケーション技術」の科目に直結する内容も含まれていますが、
この科目で学習する内容は、『人間関係の形成』と『コミュニケーションの基礎』の2項目です。

 

・人間関係の形成

 

人間関係の形成では、用語の意味、「自己覚知」、「受容」、「共感」、「ラボール」などについて学習します。

 

・コミュニケーションの基礎

 

コミュニケーションの基礎では、コミュニケーションの基礎内容を理解し、
その上で、受容や傾聴などのコミュニケーション技法の活用方法や効果について学習します。

人間関係とコミュニケーションの試験対策

人間関係とコミュニケーションの科目は、「人間の尊厳と自立」と同じで、
試験で最も出題数が少なくなっています。

 

そして、人間関係とコミュニケーションの科目からは、2問題が出題され、
一問は短文例事例が出題されることが見込まれます。

 

人間関係とコミュニケーションの科目では、「コミュニケーションの基礎」の項目が中心となって出題されることが予想できますし、
特に、コミュニケーションの技法の種類や内容、効果に関する問題が高い確率で出題されるはずです。
ですから、勉強をする時には、各コミュニケーション技法の特徴を箇条書きや表にまとめ、
理解を深めておくようにしましょう。
さらに、非言語的コミュニケーションも出題されやすい内容ですから、
非言語的コミュニケーションの種類についても、ピックアップして理解を深めておきましょう。

 

人間関係とコミュニケーションの科目では、介護領域の「コミュニケーション技術」の科目に直結する内容です。
ですから、ここで学習する内容をしっかり理解しておくことで、
「コミュニケーション技術」の得点アップにもつながります。

人間関係と心理

介護福祉士などの援助者は、介護の現場などで援助をする際、
利用者との人間関係を築くことが大前提です。
この人間関係を築く上で必要なものが@自己覚知、Aラボールの形成、B受容、C共感的理解などです。

 

@ 自己覚知

 

自己覚知とは、援助者が自分自身の性格、行動傾向、価値観、感情などを
客観的に認識することを意味します。
援助者の自己覚知が不十分だと、利用者の発言を受けて感情的になったり、
援助者自身の価値観によって利用者が抱える課題について判断を誤るなどの問題が起きる危険性があります。
そのため、援助者は、自己覚知に努める事が大切で、
自らの感情や行動をコントロールできるようになることが重要です。

 

A ラボールの形成

 

ラボールは「信頼関係」のことです。
介護の現場における対人援助では、援助者と利用者の人間関係の土台として、
ラボールはとても重要視されます。
援助者が利用者とラボールを形成していく上で、
共感的理解や受容の態度で接すること、
適切なコミュニケーション技術を活用することはとても必要です。

 

B 受容

 

受容とは、相手のあるがままの姿を受け入れることです。
介護の現場では、援助者が利用者の発言や性格、行動などを全て受け入れて接することを指します。

 

C 共感的理解

 

共感的理解とは、対人援助において、援助者が利用者の感情を理解し、
その感受に寄り添うことを意味します。

 

利用者にとって、援助者が共感的理解を示すことは、
「自分の気持ちを分ってくれた」と感じ、援助者と利用者とのラボールを形成するのに
とても大切なことになってきます。

対人関係とコミュニケーション

コミュニケーションは、情報や意思などを伝達する手段の一つです。
また、対人関係を築く上で重要な手段でもあります。

 

介護福祉士などの援助者は、介護の現場などでの対人援助において、
利用者とのコミュニケーションをとることによって対人関係を築き、
ラボールを形成していきます。
また、援助者が利用者に対して受容的な態度や共感的理解を示す際にも、
コミュニケーションを用いる必要があります。

 

利用者とのコミュニケーションを適切に図る上では、
コミュニケーションを促す環境やコミュニケーション技法の理解がとても大切ですし、
コミュニケーションの技法を適切に活用することが大切です。       

 

@ コミュニケーションを促す環境

 

援助者は、利用者とのコミュニケーションを図る際、
その場所にも配慮する必要があります。
たとえば、利用者が悩みや気持ちを打ち明けるなどの話をする場所として、
薄暗いところ、清潔感が無いところ、うるさいところなどは適切な場所ではありません。
援助者は、利用者にとって落ち着くことができる場を提供することが必要です。
たとえば、静かなところ、お互いの顔がはっきり見える明るいところ、清潔感のあるところなどです。

 

A コミュニケーションの技法

 

コミュニケーションの技法を大きく分けると、
「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」に分けられます。

 

・言語コミュニケーション

 

言語コミュニケーションの技法には、「反復」、「要約」、「沈黙」などの種類があります。

 

・非言語的コミュニケーション

 

非言語的コミュニケーションには、「距離」、「表情」、「視線」などの種類があります。

 

距離: コミュニケーションを図る上での対人距離を意味します。
    援助者が利用者とコミュニケーションをとる際、利用者との信頼関係の程度によって、
    その距離が遠すぎても近すぎても利用者に不安や恐怖などの心理的影響を与え、
    スムーズに会話ができません。
    利用者にとって、安心して話すことができる適切な距離を保つことが、
    援助者にとって大切なことです。

 

援助者が対人援助をする際には、言語的コミュニケーションだけでなく、
非言語的コミュニケーションも活用することが必要です。

 

問題例

問題集にあった問題です。

 

Q. 援助者としての資質や態度に関する記述のうち、最も不適切なものを一つ選びなさい。

 

@ 援助者は自己覚知に努め、自らの感情や行動をコントロールできるようになることが重要である。

 

A 援助者は利用者と接する上で、援助者自身の身だしなみにも配慮する必要がある。

 

B 援助者は、感受性、観察力、洞察力をもって利用者などの人権を擁護する。

 

C 援助者は、適切にコミュニケーション技術を活用して利用者に接していれば、利用者とラボールを形成する必要はない。

 

D 援助者は、自己研磨に励み、援助に必要な知識や技術を意識的に使いこなす。

 

正解 「C」

 

 

@ 〇
自己覚知に努めることは、介護福祉士などの援助者にとって、とても大切なことです。
自らの感情や行動をコントロールし、専門職として適切に利用者や、
利用者の家族に対応することが必要です。

 

A 〇
援助者自身の身だしなみは、コミュニケーションを図る上でもとても大切です。
利用者が援助者に対して安心感を持つことができるよう、
コミュニケーション技術や態度、身だしなみ、コミュニケーションを図る場などについて配慮しなければなりません。

 

B 〇
援助者には、利用者等の人権を擁護する役割があります。
人権を擁護するために、感受性、観察力、洞察力などを持って対応することが求められます。

 

C ×
援助者は、利用者と関わる上で、まずは信頼関係(ラボール)を形成しなければなりません。
援助者と利用者のラボールが形成されることによって、
その後の支援が適切なものとなり、スムーズになる効果が得られます。
よって、「利用者とラボールを形成する必要はない。」の部分が間違っています。

 

D 〇
援助者は、自己研磨に励み、援助に必要な知識や技術を意識的に使いこなすことができるよう、
常に援助者として質の向上を図ることが大切です。

 

このようなことから、この問題の答えは、「不適切なもの」を選ぶ問題ですから、正解は「C」となります。

 

Q. 援助者としての利用者とのかかわり方に関する記述のうち、最も不適切なものを一つ選びなさい。

 

@ 利用者の発言を傾聴する際は、利用者の言葉だけでなく、声の調子なども聞き取ると共に、表情や身振りを観察する。

 

A 援助者が自己開示をおこなうことによって、利用者の心が開き安くなるという効果がある。

 

B 援助者は、利用者に対して「はい」や「いいえ」で答えられるクローズド・クエスチョンは使用してならない。

 

C 援助者は、利用者に質問する際、その質問に対する利用者の答を誘導するような意見や態度をとってはならない。

 

D 利用者からの相談を受けた場合、その内容について明確化や要約などの技術を活用して、
援助者と利用者が共に利用者の抱える問題を明確にしていく必要がある。

 

正解「B」

 

@ 〇
傾聴とは、経験や感情、ものの見方、行動を総合的に聴くことをいいます。
ですから、介護福祉士などの援助者は、利用者の言葉だけではなく、声の調子なども聴き取り、
表情や身振りを観察することがとても大切です。

 

A 〇
援助者の自己開示によって、利用者が心を開きやすくなります。
心を開くことができれば、信頼関係を築きやすくなりますね。

 

B ×
クローズド・クエスチョンとは、利用者の意思を明確にする場合や、
基本情報を確認する場合などに活用する質問技法のことをいいます。
ですから、介護の現場で、クローズト・クエスチョンは必要なことです。

 

C 〇
援助者の質問に対して、援助者が考えるような答えが返ってくるような
意図的に誘導するような意見、態度をとってはいけません。

 

D 〇
利用者から相談を受けた場合は、その内容について明確化や要約などの技術を活用し、
援助者と利用者が共に利用者の抱える問題を明確にしていく必要があります。

 

このようなことから、この問題の答えは、「不適切なもの」を選ぶ問題ですから、正解は「B」となります。