介護福祉士試験対策のポイント

コミュニケーション技術

コミュニケーション技術の科目の特徴

 

「コミュニケーション技術」は、学習内容も少なく、学習難易度もあまり高くありません。
ですから、受験生にとっては学習しやすく、試験でも得点しやすい項目です。
また、コミュニケーション技術は、「人間関係とコミュニケーション」の科目との関連が深い項目です。
確実に得点できるように、学習していきましょう。

 

コミュニケーション技術では、「「介護におけるコミュニケーションの基本」、
「介護場面における利用者・家族とのコミュニケーション」、
「介護におけるチームのコミュニケーション」を勉強します。

 

「介護におけるコミュニケーションの基本」では、
利用者やその家族とコミュニケーションを図る目的や意義などについて勉強します。

 

「介護場面における利用者・家族とのコミュニケーション」は、
利用者の状態に応じ、どのようにコミュニケーションを図っていくかについて勉強します。

 

「介護におけるチームのコミュニケーション」では、
介護記録の記入の仕方や、介護記録の保管の留意点、
介護従事者間の情報の共有などについて勉強します。

 

コミュニケーション技術の試験対策

 

コミュニケーション技術の科目では、試験では8問出題されます。
短文事例問題も2問程度出題されると思われます。
出題される問題の難易度はあまり高くありません。
ですから、得点を稼ぎやすい科目ともいえます。

 

「「介護におけるコミュニケーションの基本」では、
時間をかけて学習する必要はありません。
練習問題や予想問題を解いて学ぶことによって十分対応できます。

 

「介護場面における利用者・家族とのコミュニケーション」は、
このコミュニケーションの技術の科目で中心的内容となります。
出題方法は、認知症の高齢者や視覚障害者などのような利用者に
条件を設定した内容で出題される可能性が高いです。
短文事例問題の形式で出題されやすい内容です。

 

「介護におけるチームのコミュニケーション」では、
介護記録に関する問題が出題される可能性が高いです。
介護記録の記入内容や記入方法、記入上の留意点、保管上の留意点について、
表にしてまとめておくと理解を深めることができるでしょう。

 

コミュニケーション技術の学習範囲と主な学習内容

 

・介護におけるコミュニケーションの基本

 

「コミュニケーションの意義、目的、役割」や「利用者、家族との関係作り」について勉強します。

 

・介護場面における利用者、家族とのコミュニケーション

 

「利用者、家族とのコミュニケーション」や「利用者に応じたコミュニケーションの技法」について勉強します。

 

介護場面における利用者、家族とのコミュニケーションは、
コミュニケーション技術の科目の中でも、最も重要な項目となります。

 

利用者、家族とのコミュニケーションでは、
専門職としてのコミュニケーション技法を学びます。

 

専門職としてのコミュニケーション技法とは、
「バイスティックの7原則」や「質問技法」などです。

 

利用者に応じたコミュニケーションの技法では、
利用者の疾患や障害の特徴、程度などに合わせた適切なコミュニケーション技術を理解します。

 

・介護におけるチームのコミュニケーション

 

介護におけるチームのコミュニケーションは、
「記録による情報の共有化」や、「報告や会議」について勉強します。

 

記録による情報の共有化では、介護記録の記入内容、記入方法、
記入上の留意点や保管上の留意点などを必ず勉強しましょう。

 

バイスティックの7原則

 

「バイスティックの7原則」とは、

 

介護福祉士などの援助者が利用者とコミュニケーションを図る際に求められる
接し方の代表的な原則のことです。

 

援助者は利用者に対して、バイスティックの7原則に基づいた考え方、
態度、発言で援助を実践していくことが大切です。

 

バイスティックの原則には、「個別化」、「意図的な感情の表出」、
「統制された情報関与」、「受容」、「非審判的態度」、「自己決定」、「機密保持」の7つの原則があります。

 

・個別化

 

一人ひとりの利用者が独自性を持っていることを認め、
それを理解して対応することをいいます。
価値観は人それぞれですから、介護者が「リハビリは辛い」、「入院生活は辛い」などと思い込むことはいけません。

 

・意図的な感情の表出

 

利用者が、その感情を自由に表すことができるように、
介護福祉士などの援助者が意図的に働きかけることをいいます。

 

泣き出されたり、怒鳴られたりする事もあるかもしれませんが、
そのような時ほど問題を整理し、冷静に受け入れるようにします。

 

・統制された情緒関与

 

介護福祉士などの援助者が感受性を働かせ、
利用者の感情的側面を理解して、意図的に反応することをいいます。

 

・受容

 

利用者の長所や短所などを認め、
あるがままを援助者が受け止めることをいいます。

 

・非審判的態度

 

利用者を審判したり、批判したりしないことをいいます。

 

・自己決定

 

他者から援助を受ける状態にあっても、
利用者は自分で選択し決定する権利があることを認めることをいいます。

 

・機密保持

 

利用者の秘密を守ることをいいます。
そして、専門的関係の中で利用者が打ち明けた情報を、
援助者が第三者に漏らしてはならないことをいいます。
秘密が守れらることが保証されてはじめて、
意図的な感情表出が可能になります。

 

 

コミュニケーション技術の種類

 

援助者が、利用者に対して活用するコミュニケーション技術には、
「表現の明確化」や「要約」などの種類があります。

 

援助者は、各コミュニケーション技術について、
活用方法や効果を熟知する必要があるというだけでなく、
利用者の援助を実践していく上で、
利用者の状態やその場の状況に応じて適切な技術を使い分ける技術も見につけておく必要があります。

 

@ 自己開示

 

「自己開示」とは、援助者の名前、所属、役割などを利用者に伝えることです。
そして、自己開示することによって、利用者が援助者自身を理解し、
利用者に安心感を与えることができます。
つまり、自己開示することによって、
その後、利用者と援助者のコミュニケーションがスムーズになりやすくなります。

 

A 表現の明確化

 

「表現の明確化」とは、利用者とコミュニケーションを図る際、
利用者がうまく発言したり表現したりできない場合、
その内容について援助者が汲み取り、明確に表現することです。
利用者の表現を明確化することによって、
利用者が次の展開や話題に移行することができます。

 

B 傾聴

 

「傾聴」とは、援助者が利用者にとって話しやすい表情や視線、態度をとることにより、
利用者の話を受容的に聴く技術のことをいいます。
傾聴の技術を活用する時には、「うなずき」や「あいづち」も盛り込みます。
「傾聴」の技術では、利用者の話す内容だけでなく、
感情や価値観なども総合的に聴くことが大切です。

 

C 要約

 

「要約」とは、援助者が利用者の発言を要約することにより、
援助者が利用者の問題に理解を示していることを伝えることができます。
また、利用者自身が自分の話を理解し、
問題点を明確にすることができる効果が得られます。

 

D 反復

 

「反復」は、利用者が話した内容を援助者がそのまま繰り返して返答することです。
反復することによって、利用者自身が自分の発言内容について考えることができます。

 

E 沈黙

 

「沈黙」とは、利用者が会話の途中で黙ってしまった場合、
利用者が考える時間を持つために、援助者が意図的に黙り、
利用者から話すのを待つ技術をいいます。

 

F 開かれた質問

 

「開かれた質問」とは「オープン・クエスチョン」のことで、
利用者が自由に意見を言ったり、表現したりすることができるようにする質問方法のことをいいます。

 

G 閉じられた質問

 

「閉じられた質問」とは、「クローズドクエスチョン」のことで、
利用者が「はい」、或いは「いいえ」のどちらかで応えられる質問技法のことをいいます。
クローズドクエスチョンは、利用者の基本情報を確認する時などに用います。

 

利用者の状況に応じたコミュニケーション方法

 

@ 認知症高齢者

 

認知症高齢者とコミュニケーションをとるときには、配慮が必要です。
文節を区切って簡潔に話すなどの配慮をすることで、
不安や恐怖を与えることがなくなります。

 

A 聴覚障害者

 

聴覚障害者とコミュニケーションをとるときには、
聴覚障害者の状態に応じて、手話や読書、筆談、ワープロなどの機器を活用します。
先天性の聴覚障害者の場合は、一般的に手話を習得していることが多いです。

 

B 知的障害者

 

知的障害者とコミュニケーションをとるときには、
一文節ずつ簡単な言葉でゆっくりとした口調で伝え、
すぐに理解できない場合であっても繰り返し伝えるようにします。

問題例

介護従事者としてのコミュニケーション技術に関する問題で、問題集にあった問題です。

 

介護従事者としてのコミュニケーション技術に関する次の技術のうち、最も不適切なものを選びなさい。

 

@ 利用者の発言だけでなく、非言語的コミュニケーションにも着目する。

 

A 傾聴とは、経験や感情、ものの見方や行動を総合的に聴くことである。

 

B 穏やかで優しい口調で話す必要がある。

 

C 車いすに座っている利用者と会話をする場合は、同じ眼の高さで話すことが望ましい。

 

D 受容的な態度で傾聴さえ行っていれば、自己開示をする必要はない。

解答「D」

 

@ 〇 介護従事者は、利用者の話をじっくり聴くだけでなく、
   利用者の表情や手振りなどの非言語的コミュニケーションにも着目することが重要です。

 

A 〇 傾聴は、利用者の言葉だけではなく、表情や身振り、声の調子などを総合的に聞き取ることをいいます。

 

B 〇 利用者とコミュニケーションを図る際は、まず利用者の緊張をほぐして安心させる必要があります。
   そのため、介護従事者は、利用者に対し、穏やかで優しい口調や態度で接することが大切です。

 

C 〇 介護従事者は、利用者と会話する際、利用者と同じ目の高さで行う事が基本です。
   そのため、車いすに座っている利用者に対しては、膝をついて姿勢を低くするなどして、
   利用者の目と同じ高さにあわせることが大切です。

 

D × 介護従事者は、利用者に対して自己開示を行う必要があります。
   介護従事者が自己開示を行うことによって、利用者の心を開きやすくする効果があります。